辞表を出す前に今の会社で確認しておくことを解説します。
この様な方への記事です。
・転職する企業を探し始めている方
・今の会社を辞める踏ん切りがついていない方
・人事担当者
①年収と働きやすさ
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査 速報」によると、一般労働者の賃金は平均330.2(千円)で、学歴、年齢別階級別賃金では「大卒_55~59歳」の賃金は平均523.8(千円)が最も高くなっています。業種にもよりますが、近年、賃金は増加傾向(前年度増加率3.7%)にあります。
現在、あなたが勤めている会社での平均年収や年代、役職別の平均年収は把握されていますか?また、近年の物価上昇の波を受けて価格転嫁したものを給与として還元できているか?も今後会社に残るかの一つの参考になります。今後ある程度、年収増が見込めるのであればそこも含めて検討していきましょう。転職先で一時的に年収が伸びてもその会社で働いている方の平均年収や役職別での平均年収が転職後の年収になってきますので、あなただけ特別に給与が高いという事は可能性として低いと考えられます。(大手に行けば、等級、グレードや号棒の範囲で納めるケースが多い為)
もう一つ重要になってくるのは「働きやすさ」です。転職して年収は高くなったが、通勤手当などの手当て関係、休日日数、残業時間、有給取得、副業範囲、在宅勤務、育児休業からの復帰率や配置転換がどのくらいあるかなど会社により状況は様々です。有給取得義務が出来たことで、年5日のみ取ってトータルの休日日数を減らす公休カレンダーになっていないか?など、働く時間と年収のバランスを見ておく必要があります。
出典 令和6年賃金構造基本統計調査 速報https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2024/sokuhou.html
②働く仲間と人間関係の悩み
快適な職場環境の中に「人間関係」は欠かせないと思います。あなたにとって現在の職場仲間はあなたの「存在を承認」している方々ですか?また、あなた自身の仕事が仲間の為に貢献したいという気持ちから日々の仕事をがんばっている方は「金銭以外の報酬に価値を求めていると思います」人間関係においてストレスなく働けているなら、次の職場で一から人間関係を築く必要はありません。逆にハラスメント以外の人間関係に悩んでいる方は「次の職場で解決できるか?」を自分に問う必要があります。環境に対して捉え方からくる人間関係の不満は環境が変わっても同じように不満として変わらないケースがあるため、再度、現状の悩みを解決できる方法が無いか確認していきましょう。
③自己成長とやりがい
今後転職する際に、自己成長する可能性があるか?確認しておく必要があります。成長には「未経験分野の仕事に取り組む事や少し難易度を上げた仕事に取組む」など自らの可能性を試す機会が必要になります。現在の職場、転職先でルーティンのみの仕事ではなく、挑戦できるような事があるかは確認しておきましょう。人生100年時代となり長期間雇用され続ける能力「エンプロイアビリティ」を身に着けておくためには仕事を通じて経験値を積んでおくことで市場価値を上げていく事が必要になります。またあなたの「やりがい」を知って置くことで「自己重要感」「幸福感」が高まり「物事をポジティブ」に捉える事ができます。
まとめ
転職市場がにぎわう中、一人ひとりが市場価値を高めて、正当な対価を手に入れる事は喜ばしいです。(社員の善意に甘えて搾取している企業もまだまだ多いしサービス残業を美徳としている労働者もまだまだいます)転職後に得たいもの「お金(ワークライフ含めた)、経験、スキル、人脈(人間関係)等」を明確にしておく事で転職後の成功確率を高めることができるのではないでしょうか?
参考(外的キャリアと内的キャリア)
「やりがい」「価値観」を見つける為の自己分析として
「外的キャリアと内的キャリア」「キャリアアンカー」をご紹介します。
外的キャリア
職業・地位・資格・年収など客観的に判断できるキャリア
「例:〇〇会社に勤めている。年収〇〇〇〇万円以上貰っている」
内的キャリア
仕事に対する動機、意味、価値観など本人が感じるもの
「例:仕事の〇〇の部分に面白みを感じる。〇〇をやる事で〇〇へ貢献できる」
本人が感じるものの為、周りが判断できないキャリア
※外的キャリアと内的キャリアはバランスをとり、やりがいのあるキャリアを築く事ができます。
「キャリアアンカー8つの分類」(価値観を深堀する)
①専門・職能別コンピタンス
(例:仕事の専門性を高めて課題解決することに喜びを感じる)
②全般管理コンピタンス
(例:企業経営や責任がある立場になることに喜びを感じる。そのための成長をしていく)
③保障・安全
(例:ローリスク、ローリターンでリスクが少ないことに喜びを感じる)
④起業家的創造性
(例:新しいモノ・コトを創造すること、挑戦することに喜びを感じる)
⑤自律・独立
(例:自分のやり方・ペースで仕事が出来ることに喜びを感じる)
⑥奉仕・社会貢献
(例:仕事を通じて世の中の為になっていることに喜びを感じる)
⑦生活様式・ワークライフバランス
(例:個人的な欲求が満たされる事をベースに仕事を調整することに喜びを感じる
※仕事をしないのではなく、バランスを取る事を目指している)
⑧純粋な挑戦・チャレンジ
(例:高い挑戦や競争に喜びを感じる)
キャリアアンカーは「仕事に求められる要件」と「価値観」へのギャップを確認することができます。現在の会社が求めている人材要件とあなたが求めているものに違いがあり埋める事が出来ない場合は将来を見据えて転職することで、持続的に活躍できるのではないでしょうか?