・人手不足に悩む企業の方
・離職率を下げたい企業の方
・今の働き方で悩んでいる方
に参考にしていただければ幸いです。
近年、人手不足という話を良く耳にします。また、サービス業の店舗等での求人広告も常に目にします。正社員に限らず、アルバイト社員の確保も難しく、出店していた店舗を閉店している所も見かける様になりました。配膳ロボット、セルフレジなど、dx出来る会社は極力人員が少なくても回る仕組みを構築しています。一方、「企画職」などはdx化することは難しく、この様な人材は採用しても自社に会うかどうかも入ってみないとわからないケースもあり、双方にデメリットになることもあります。今回は「企画職」人材に対して「人材確保、離職対策」また「柔軟な働き方がしたい方」に対して「業務委託契約」という選択肢をもって頂くことで、人手不足感に対応している事例を紹介します。
ケース1 管理職のマネジメント能力を業務委託した事例
管理職から退職の意向を受けたときに、他にやりたいことがある「ポジティブ」な離職ではなく、一度会社を離れる事で気持ちをリセットしたいという事が目的でした。退職意向を受けて、まずプレイヤーとしての業務を週3日、一日4時間でいいので手伝ってほしいという話をしました。一旦は断りを受けましたが、退職してもやることも決めていませんでしたので、数回の話し合いの中、引き受けてくれました。同じ会社で「働き方と職務」を変えてもらいました。気持ちの切り替えが出来るか不安という話でしたが、結果は気持ちが切り替わり以前より明るくにこやかに仕事をしています。また、1年の業務委託後に今度は過去のマネージャー経験を活かして、少し扱いづらい年配社員のサポート業務を平行して依頼しました。手のかかる部下がいると管理職のメンタルも含めてそこに手間暇さかれますが、そこをサポートしてもらうことで、組織全体に目が行き届くようになり、組織全体の業績も向上、年配社員も経験値のある人がサポートしてくれることで安心して働く事で成果を上げる事に繋がっています。
ケース2 専門職人材の突然の離職を業務委託提案で乗り切った事例
仕組み化を目指しても、会社の中に「この仕事はこの人しか分からない」という事があると思います。その仕事が会社の経営に関わる様な仕事であれば尚更だと思います。該当者は職人気質で部下を中々育てられずに何人も離職させていました。会社としても育成は難しいと感じてそのまま一人でその仕事をさせていましたが、その事が返って孤独感を生み退職の意向がでました。本人が辞めると会社経営にも関わる為、社長含めて役員や幹部が説得にあたりましたが、本人の意向は固く、退職という話になりました。最初は3か月で退職するという話で、そのポストを急遽社内外から採用することになりました。何とか候補者は準備できましたが、職務を理解できているわけではないので引継ぎをしますが、中々進みません。(もともと教えるのが苦手という事もありますが)背中で覚えるしかないと思い、思ったより時間が掛かると判断したため、平行して「業務委託契約」の話を事あるごとに話しました。ネガティブ離職だった為、気持ちが切り替わることで前向きになると判断したからです。業務委託のメリットなどは話していきましたが、最終は「一連の仕事が終わるまで残留する」という話になりました。選択肢が複数あり、「自らが選べる」という事で納得していただきました。引継ぎメンバーの頑張りもあり一人だった仕事を複数人でコミュニケーションを取りながら行うことで、会話が増えて明るい表情に変わり、最後は「なんで辞めようとしたんだっけ」という話をしていました。
ケース3 育休中に業務委託でスキルアップ
女性の育休中に仕事から離れる事の不安を耳にします。今まで頑張ってきた仕事を手放さないといけない。育休から復帰しても変化が激しくついていけない。キャリアステップを諦めている人も見かけます。会社にとっても優秀な女性が働くモチベーションを落として、難易度の低い仕事に甘んじる事は望んでもいないと思います。意識が高く、貢献意欲がある女性が2人目の妊娠が分かり復帰して仕事が楽しくなってきたところ諦めざる得ないのか?という悩みを抱えていました。そこで「業務委託」で現在の仕事に繋がる仕事を依頼することで本人も育休期間中にスキルアップしながら、育児とのバランスをとっています。本人もそのような選択肢があることが想像できていなったので、始めはできるか不安でしたが、業務委託の場合は納期はあっても仕事時間や場所は本人のペースで進めることができます。もともと自己管理ができているタイプでしたので、やってみると本人も非常に楽しそうに過ごしています。会社としても不足する穴をすべて誰かに任せる必要もなく安心でした。
選択肢の重要性
仕事に悩んだ時に「続けるか?」「辞めるか?」の2択になると思います。辞める理由が明確でポジティブなものであれば会社も引き留める事は難しいと思います。ポジティブであれネガティブであれ、選択肢に「何かを継続しながら、新しい事もできる(考える時間がもてる)」ことは本人にとっても有益な話です。自分自身に選択肢があると気づくことで、続ける事も辞める事も含めて「自ら納得して行う」事ができます。人は感情的な生き物なので、瞬間瞬間に気持ちの揺らぎが出る事がありかもしれません。その時に「選択肢」を自分自身がもっていることでその状況をどう捉えるかも変わる可能性があります。
働く意識が変わる
業務委託契約では仕事の期限や質について具体的に決めて行きますので、何となく始めるような仕事は無くなります。継続した業務を受注出来るかも含めて、今までは社員という甘えから働いていた意識も変わる為、同じ仕事でも気持ちの持ちようが変わるところが大きなメリットです。会社も依頼する仕事と成果について再定義が必要になることで業務改善のきっかけとすることが出来ます。
全ての職種に当てはまるわけではない、離職予防も必要
時間と場所を選ばないという事は、一定の時間や場所に集まって仕事をする場合には当てはまらい事が多いです。特に飲食業、宿泊業などのフロント対応は営業時間中のお客様対応になると難しくまた、企画の仕事でも「企業情報」をどこまで扱ってもらうかという事を決めておかなければいけません。退職予定社員の場合は、その人が信頼に値するかも分かると思いますので、そこで判断してください。
いずれにしても「突然辞められて困る人」は予めリスト化しておく事で定期的なフォローなどを行いましょう。「辞める」と言った瞬間、急に優しくなる「上司や経営者」は見透かされてしまいます。