企業内キャリアコンサルタント導入について

・企業内キャリアコンサルタントを目指している方
・セルフキャリアドックの導入を考えている方
・やりがいや生産性向上を求めている経営者の方
・キャリアコンサルタントの資格を目指している方
のご参考になれば幸いです。

企業内のキャリアコンサルタントとは?

 企業内のキャリアコンサルタントとは、企業内で「従業員」を対象に「個人のキャリア開発」や「職業生活」を行う上での支援を行う専門家です。
 主な活動は、企業内で求められる内容により異なりますが、「個人面談」を通して「個人のキャリア開発支援や職場での周囲に話せない悩み相談など」個人に働きかけるものと「キャリア開発研修の企画・運営や企業内でのキャリアパスの設計、面談から見える組織課題の仮説及び改善提案など」組織に働きかける活動があります。個人の職業生活をより充実する為に「キャリア意識の醸成」と企業によりキャリアを自律的に考えてもらう「機会の提供」を促進していく事が継続した活動として必要になります。継続して活動することで、モチベーションの向上や離職率の低下、仕事に対してのやりがいの向上による業務改善や生産性の向上に繋がっていきます。

人事担当者の面談との違い

 人事の担当者から面談のスケジュールが入ると「何かある?」と不安に思う方も多く、面談を通じて「評価・査定・昇進・異動」などを探られていると感じて「本音で話せない」という話を耳にします。直接の利害関係が無い人に対しては「気軽に話せるという事はありませんか?」悩んでいる事もマイナスに捉えられるのではという意識からポジティブな話しかできず、悩みを抱えて、一人で自己完結して退職するケースもあります。フラットな関係でかつ守秘義務があるキャリアコンサルタントならではの「心理的安全性」により本人の考えを話してもらう事ができる点が大きく違います。

導入検討について

企業内キャリアコンサルタントを導入するにあたり、以下の内容を検討しておく必要があります。
①目的と目標の明確化(何故、今、導入する必要があるのか? 例)離職率を下げる為、個人のモチベーションを向上させる為。1年後の目標として、離職率が〇%改善。体調不良による求職者が〇%減少。など設定しておくことも、振り返りとして大切になります。
②対象範囲の決定(役員、正社員、契約社員、派遣社員、パート社員、アルバイト社員、または、年齢や階層など利用できる範囲を決めて行きます。)
③キャリアコンサルタントの選定(社内で有資格者が複数いいる場合はその中から選定することもできますし、資格が無くても、後で取ってもらう事で、体系的な知識を身に着けてもらう方法もあります。その場合はヒアリング力があり、会社の事に精通しているベテランなどを起用しても効果があります。また、「専任にするのか?兼任にするのか?」も同時に検討しておく必要があります。兼任になると主としての活動にならない場合があるので、効果を出すためには専任で行う事をお薦めします。
④プログラム設計(キャリアコンサルタントの活動として具体的に何をしていくか?を決めて行きます。キャリア開発研修やキャリア面談の流れや定期的な啓蒙活動としての発信などを計画しておく事で従業員に対してのキャリア意識を醸成していく流れを計画していきます。
⑤評価(目標で決めたものを実行した結果、どの様な変化があったのか?を面談を受けた社員などからアンケートなどで聞き取りを行い、キャリアコンサルタントしての改善活動に繋げていきます。
⑥予算(専任の人員を確保する場合やキャリア開発研修を社内で行う場合に研修を行うために実務から離れて研修に使い時間など計画しておく必要があります)ただ、効果が出るには時間が掛かるものと思っていないと1回行っただけで、効果があるとは思わず、継続的な働きかけが必要だと関係者含めて認識しておく必要があります。

決定権者の理解を得るために取り組む事

①企業戦略を実行する為に、従業員一人一人の主体性が必要になってきます。主体性を発揮させるための継続的な働きかけとして「気づきを促す」キャリアコンサルティングの必要性を伝えます。
②他社で取り入れている事例などを共有して、自社の抱える課題に対してうち手に繋がることを伝えます。
③外部のキャリアコンサルタントとの連携で客観的に語ってもらう事で、説得する方法もあります。

まずは小さくトライアルで始める

いきなりの本格導入だと、抵抗感がありますが、まずは「お試し」という形であれば、「取り合えずやってみて」という話になる可能性もあります。トライアルを行う上でも、対象者や上司に「説明会」を行う、「目的・目標など」を話しておくことで、フィードバックの質を上げる事ができます。

外部のキャリアコンサルタントとの協同

社内の人材だけで、回せない場合もあります。休日や時間外の対応。そこで「外部のキャリアコンサルタント」とも提携しておくことで「相談したいときに、出来るだけ早く対応することができます」

まとめ

企業内キャリアコンサルタントの導入方法について解説してきました。
①導入の目的の明確化
②決定権者の理解
上記の2点は丁寧に進めていただく必要があります。(理解が追い付いていない場合がある)
キャリア自律を促すことで個人にとっても企業にとっても双方にメリットのある話に繋げていく事を目指してください。キャリアコンサルタントとして自己研鑽されている方の活躍の場を広がることを期待しています。

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